「知的障害が中学校卒業を理由に不支給とされ、審査請求で認められたケース」
2020/11/03
相談者:男性(60歳代)
傷病名:知的障害
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
支給月から更新月までの総支給額:約188万円(年額78万円)
・相談時の相談者様の状況
入院先の病院からの紹介で、日々の生活全般の面倒を見ていたお兄様より電話でご相談を頂きました。中学校卒業後は親せきの板金業で働くが続かず、一時結婚したが離婚している。経済的・物質的に全面的に兄が面倒を見てきた。徘徊が収まらず救急車搬送された病院で即日入院し今に至っている。主治医も診断書は書いてくれると言っているがどうしたら良いかわからないとソーシャルワーカーからの紹介でご依頼を受けました。
・相談から請求までのサポート
作成して頂いた診断書の中で不安材料は2つありました。1つはアルコール依存症での通院歴(不詳)がある事、心理テストが分析不能(すぐに諦めてしまう為)。現在は入院中でもありアルコール摂取はしておらず現在の症状としてはないことを主張し、日常生活能力(4)3.0であった為すんなり2級は認定されると思い書類を預かってから4日で提出しました。返戻があり、「アルコール依存症があり症状混在なので不支給とする」との事。反論文書を添えて返戻対応しましたが結果は不支給となりましたので即日審査請求を行いました。
・結果
年金機構から取り寄せた意見書にはアルコール依存症との症状混在は一切なく、「これまでの教育歴は小学校から中学校まで普通学級と記載されていることから知的障害は軽度であると判断した。」だから2級には該当しない。ただ、社会保険審査官は「取り消し」との判断をして下さり、そこから2カ月以上は立ちましたが無事年金証書が届きました。障害基礎年金2級として受給する事が出来ました。
【社労士から一言】
審査過程を知る・見ることは出来ませんが何かやりきれない思いが交錯したことを覚えています。もらえるべき人が当たり前の権利として受給できる制度であって欲しい。実務的にはほとんどないケースではありますが、時折不可思議な裁定があり日々勉強の毎日です。
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